アイヌ民族の現在人口は、数万人とも、数十万人ともいわれていますが、日本の総人口に占める割合は、どう見積もっても1%に遠く及びません。和人中心社会が後回しにしてきたマイノリティの人権(アイヌの先住権)の回復を目指すとき、その第一歩は、「小さな声」に耳をすますことです。たくさんのアイヌたちの言葉をお届けします。
フチとエカシのストーリー
各地のアイヌのフチ(尊敬すべき年配の女性)とエカシ(尊敬すべき年配の男性)から聞き取りをすすめています。それぞれのiwor(イウォロ)内外のkamuy(カムイ)とどんなふうに向き合い、資源をどんなふうに利用管理してきたか、どんな暮らしをしてきたのか、権利回復のためにどんな活動をしてきたのか…。
さまざまな思いや経験を、運営メンバーとアイヌの若い世代がお聞きしました。
Story Maps 二風谷アイヌ語教室広報誌から
1988年から2009年まで、21年間にわたって発行された「二風谷アイヌ語教室」広報紙。全89号の中には、地元で生まれ育ったフチやエカシたちが語った森・川・海にまつわる思い出や伝承がたくさん記録されています。抜粋したテキストをデジタル地図と組み合わせて、StoryMaps(ストーリーマップ)を制作しました。
このStoryMaps「『二風谷アイヌ語教室広報紙』から」は、同広報紙の編集責任者で、現在は萱野茂二風谷アイヌ文化資料館館長を務めていらっしゃる萱野志朗さんから、「森・川・海のアイヌ先住権を見える化するプロジェクトに、ぜひ役立ててほしい」と、この貴重な資料の提供を受け、その全面的な協力のもとに制作されました。萱野さんをはじめ、この広報紙の執筆・編集・発行に尽力されたみなさん、また登場のフチ・エカシのみなさんに、心から感謝します。