・『アイヌ民族の歴史』
榎森進 著 2008年(3刷) 草風館 ジャンル 通史
2段組639ページの巻末に索引と年表の計36ページが付属して厚さ5cm、総重量1kg超の「鈍器本」。筆者がこの本を購入したのは15年以上前ですが、著者には失礼ながら、まだ読んでないページが残っていることをここに告白します。
かといって「積ん読」状態とは真逆で、筆者がアイヌ先住権について作文する時、文字通りの座右の書として愛用しています。アイヌ固有の諸権利の日本による侵害が本格化する17世紀、本書でいう「第五章 シャクシャインの戦い」(p183)あたりから近現代にかけてのパートは付箋と下線だらけです。慣れるまでいささか難解な文体ですが、膨大な史資料を読み込んだうえで語られる解説がとにかく詳しい。まさにThe history bookです。
先住民族の固有の諸権利(いわゆる先住権)は歴史に根ざしています。この本には、アイヌ先住権の根拠が書いてあります。(森川海プロジェクト 副代表 平田剛士)
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