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現代語訳・北海道土人ヘ告諭(1871年)

法令ID番号:01605131
明治4年10月8日  開拓使布達
廃止年:不明
https://dajokan.ndl.go.jp/#/detail?lawId=01605131

国立公文書館デジタルアーカイブ
https://www.digital.archives.go.jp/item/1381823.html
原文現代語訳
開拓使
明治四年
十月八日布達
明治4年10月8日(1871年11月20日)
開拓使から布達
一 開墾致候土人ヘハ居家農具等被下候ニ付是迄ノ如ク死亡ノ者有之候共居家ヲ自焼シ他ニ転住等ノ儀堅可相禁事(政府は)開墾に努めるアイヌに対して、住居家屋や農具などを提供している。これまでのように、死者が出るたびに家を焼き払って別の場所に引っ越すようなことを、固く禁止する。
一 自今出生ノ女子入墨等堅可禁事今後は、生まれた女の子に入れ墨することなどは、固く禁止する。
一 自今男子ハ耳環ヲ著候儀堅可相禁シ女子ハ暫ク御用捨相成候事今後は、男の子がイヤリングをするのを固く禁止する。女の子については当分のあいだ、そのままでもよい。
一 言語ハ勿論文字モ相学候様心懸事言葉(日本語)はいうまでもなく、(日本語の)文字についても学習を心がけること。

先住民族アイヌに対する「同化政策」の多くは、開拓使(1869-1882)が出した「布達(ふたつ)」や「達(たっし)」によって実行されています。そこにはなんと書いてあったのか――?
開拓使が発した法令は、明治政府が『開拓使事業報告』『法令全書』『開拓使布令録』といったインデックスにまとめています。国立国会図書館が運営する検索サイト「日本法令索引〔明治前期編〕」を利用すると、それらインデックスから目当ての法令ページを探して、デジタルスキャン画像を閲覧できます(このページ冒頭の法令ID番号も、「日本法令索引 明治前期編」の分類に基づいています)。
とはいえ、明治初期の高級役人たちが作った法令は、候文(そうろうぶん)スタイルで書かれていて、現代の私たちには一目ではなかなか理解できません。そこで、冒険的なことは承知の上で、だれにでも読みやすいような現代語訳を試みました。
当時の法令文には、先住民族に対する攻撃的・否定的な表現が数多く見られます。現代の私たちが読むと、人種主義に根ざしたヘイトスピーチそのものに映りますが、当時の日本政府による先住権侵害ぶりをあらわす「動かぬ証拠」として、あえてそのまま訳出しました。(平田剛士)

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