さっぽろ自由学校「遊」2025年後期 講座「先住民族の森川海に関する権利7―先住民族の権利と国・企業の責任」開講中

現代語訳・千歳漁両川鮭密漁禁止(1880年)

法令ID番号01000526
明治13年10月28日  開拓使本庁達丙第28号達
廃止年:不明
https://dajokan.ndl.go.jp/#/detail?lawId=01000526

『開拓使事業報告』附録 布令類聚下,大蔵省,明18.11. 国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/pid/784409/1/246
原文現代語訳
十月二十八日 (達丙第二十八号)達1880年10月28日 (達丙第28号)達
千歳郡千歳漁両川筋ニ於テ鮭密漁厳禁千歳郡内を流れる千歳川および漁(イザリ)川で、サケの密漁を厳禁する。

先住民族アイヌに対する「同化政策」の多くは、開拓使(1869-1882)が出した「布達(ふたつ)」や「達(たっし)」によって実行されています。そこにはなんと書いてあったのか――?
開拓使が発した法令は、明治政府が『開拓使事業報告』『法令全書』『開拓使布令録』といったインデックスにまとめています。国立国会図書館が運営する検索サイト「日本法令索引〔明治前期編〕」を利用すると、それらインデックスから目当ての法令ページを探して、デジタルスキャン画像を閲覧できます(このページ冒頭の法令ID番号も、「日本法令索引 明治前期編」の分類に基づいています)。
とはいえ、明治初期の高級役人たちが作った法令は、候文(そうろうぶん)スタイルで書かれていて、現代の私たちには一目ではなかなか理解できません。そこで、冒険的なことは承知の上で、だれにでも読みやすいような現代語訳を試みました。
当時の法令文には、先住民族に対する攻撃的・否定的な表現が数多く見られます。現代の私たちが読むと、人種主義に根ざしたヘイトスピーチそのものに映りますが、当時の日本政府による先住権侵害ぶりをあらわす「動かぬ証拠」として、あえてそのまま訳出しました。(平田剛士)

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