さっぽろ自由学校「遊」2025年後期 講座「先住民族の森川海に関する権利7―先住民族の権利と国・企業の責任」開講中

現代語訳・テス網並夜漁禁制(1875年)

大蔵省 [編]『開拓使事業報告』第6編 (附録 布令類聚 上編),北海道出版企画センター,1984.11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://https://dl.ndl.go.jp/pid/9775049/1/467

法令ID番号01000165 明治8年8月28日 〔テス網並夜漁禁制〕
https://dajokan.ndl.go.jp/#/detail?lawId=01000165

原文現代語訳
開拓使 明治八年八月二十八日
乙第九号 布達
開拓使 明治8(1875)年8月28日
乙第9号布達
鮭漁中テス網ヲ以川流ヲ張切候儀ハ上流漁業ノ妨タルハ勿論魚苗減耗ノ大害ニ有之既ニ一般差止置候処根室支庁管下ハ未タ更正無之趣ニ付自今テス網張並夜中ノ鮭漁ハ一切禁止「テス網」を川幅いっぱいに張ってサケを捕獲すると、上流域の漁業の妨げになるだけでなく、サケ資源を枯渇を招きかねない。すでに禁止を伝えているが、根室支庁管内の河川では、このルールがじゅうぶんに守られていないので、改めて「テス網漁」と夜間のサケ捕獲を禁止する。

先住民族アイヌに対する「同化政策」の多くは、開拓使(1869-1882)が出した「布達(ふたつ)」や「達(たっし)」によって実行されています。そこにはなんと書いてあったのか――?
開拓使が発した法令は、明治政府が『開拓使事業報告』『法令全書』『開拓使布令録』といったインデックスにまとめています。国立国会図書館が運営する検索サイト「日本法令索引〔明治前期編〕」を利用すると、それらインデックスから目当ての法令ページを探して、デジタルスキャン画像を閲覧できます。とはいえ、明治初期の高級役人たちが作った法令は、候文(そうろうぶん)スタイルで書かれていて、現代の私たちには一目ではなかなか理解できません。そこで、冒険的なことは承知の上で、だれにでも読みやすいような現代語訳を試みました。なお法令ID番号は「日本法令索引 明治前期編」に基づいています。(平田剛士)

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