世界の各国の先住民族のなかで、基本的人権が抑圧され、自己の所有する土地を国家の主権のもとに収奪され民族破滅の危機にある人達の権利を守るということを考慮にいれて先住民族の要望を受け入れるあらゆる可能な限りの権利設定を討議し、国連作業部会は一日も早く宣言草案を確定すべきであります。
アイヌ民族は、昨年提出された三つの修正文案は、1985年以来、先住民族代表が作成してきた宣言案の内容がほぽ全て収まっており重複や文体を除いて、内容的にはILO169号条約よりも高い水準のものと評価しております。
各分科会の三つの修正案がダイス議長のもとで一本化され提出される事を望むものであります。
そして、先住民族の参加と支持を拡大していき、活発な政府の参加により1993年には宣言が採択されなければならないと考えます。
その他
国連任意基金について
私たちは、日本政府に対して、先住民族に対する理解を深め、支授するために任意基金に資金を援助されるよう1987年から再三に亘り要請しておりました。
ようやく本年、日本政府は、2万ドルの資金を国連に拠金いたしました。
第一の扉が開かれたことについて評価し、今後も引き続き拠金されるよう要請して参りたいと考えております。
国連人権セミナーの開催について
ダイス議長の日本招聘の際アイヌ民族と日本政府の合意があれば、明年国連人権セミナーを日本で開催したいとのご希望があり、アイヌ民族としてもこの趣旨に賛同するものであります。
日本政府と国連人権センターとの協議において、国連人権セミナーが開催されることは、我々が日本政府に求めている、侮辱的な北海道旧土人保護法を廃止して、先住民族の権利に基づく新しい法律の制定のための引き金となるものと期待しているものです。