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現代語訳・北海道土地売貸規則及地所規則中改正ノ義(1875年)

開拓使布令録編輯課 [編纂]『開拓使布令録』明治8年[中],[開拓使],1881印刷.
国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/995335 (参照 2025-04-17)

法令ID番号00801074 明治8年6月9日 北海道土地売貸規則及地所規則中改正ノ義

原文現代語訳
第二百九十八(番外) 六月九日
民事局
租税局
第298(番外) 1875年6月9日
民事局/租税局
北海道土地売貸規則並地所規則改正之義上申候処別紙之通御指令相成候條夫々協議取調可申此段相達候也「北海道土地売貸規則」と「地所規則」を改正したいと上層部に提案したところ、別紙の(とおりにこれら2つの規則を改正して実務に当たるよう)指令が下った。それぞれの部局で協議したうえ調査を行なうように伝達する。
(別紙)
第七十七号
(別紙)
第77号
北海道土地売貸規則並地所規則改正之義上申

北海道土地売貸規則第六条及地所規則中第十三条地買上納済之者事故アツテ期日通着手致兼候者規則通上地申付候テハ迷惑ノ者可有之延期候様御達ニ付右期日ノ倍数ニ改正致度御許容之上ハ正院御上申案取調可相伺此段上申仕候也

札幌在勤
八年六月三日 大判官松本十郎
長官黒田清隆殿
開拓使長官 黒田清隆どの
「北海道土地売貸規則」と「地所規則」の改正を提言します。
(長官から)北海道土地売貸規則第6条と、地所規則第13条に従うと、土地を買い、代金をすべて支払っているにもかかわらず、当人が何らかの事故に遭ったりしてやむをえず期限までに(開墾などに)着手できなかった場合は、その土地を(官に)返還するよう命令しなくてはならず、不都合が生じているので、この期間を延期するよう、指示を受けました。これら2つの規則が規定する従来の期間を2倍に延ばすように条文を改正するので、正院(太政官)に調査・検討を求めます。

1875年6月3日
札幌在勤 開拓使大判官 松本十郎
伺之趣猶改正可致廉モ可有之ニ付買地取調更ニ可伺出事

先住民族アイヌに対する「同化政策」の多くは、開拓使(1869-1882)が出した「布達(ふたつ)」や「達(たっし)」によって実行されています。そこにはなんと書いてあったのか――?
開拓使が発した法令は、明治政府が『開拓使事業報告』『法令全書』『開拓使布令録』といったインデックスにまとめています。国立国会図書館が運営する検索サイト「日本法令索引〔明治前期編〕」を利用すると、それらインデックスから目当ての法令ページを探して、デジタルスキャン画像を閲覧できます。とはいえ、明治初期の高級役人たちが作った法令は、候文(そうろうぶん)スタイルで書かれていて、現代の私たちには一目ではなかなか理解できません。そこで、冒険的なことは承知の上で、だれにでも読みやすいような現代語訳を試みました。なお法令ID番号は「日本法令索引 明治前期編」に基づいています。(平田剛士)

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