2014年9月26日
第7回・第8回・第9回政府報告に関する人種差別撤廃委員会の総括所見
CERD/C/JPN/CO/7-9
日本は、人種差別撤廃条約(1969年発効)の締約国です。日本政府は、1995年にこの条約を批准しました。
条約に基づいて設置された監視機関・人種差別撤廃委員会は、日本政府に対して、2001年・2010年・2014年・2018年と、これまで計4本の「総括所見」を送っています。このうち、2014年の総括所見から、アイヌ民族に言及した部分を抜粋しました。
参照 日本外務省「人権外交 > 人種差別撤廃条約」のウェブページ 2026年2月6日閲覧
アイヌの人々の状況
20.アイヌの人々の権利を保護し促進するための、締約国による努力に留意する一方、委員会は、以下を含む締約国により展開された対策における不十分な点を懸念する。(a)アイヌ政策推進会議および他の協議体におけるアイヌの代表者の人数が少ないあるいは不十分なこと、(b)北海道外に居住する人達を含むアイヌの人々とそれ以外の者との間にある、多くの生活分野、とりわけ教育、雇用、そして生活水準におけるなかなか解消されない格差、(c)土地と資源に対するアイヌの人々の権利の不十分な保護と、彼ら自身の文化と言語への権利の実現に向けた緩やかな前進(第5条)。
委員会は、先住民族の権利に関する一般的勧告23(1997年)の観点から、先住民族の権利に関する国際連合宣言を考慮し、締約国に以下を勧告する:
(a)アイヌ政策推進会議および他の協議体におけるアイヌ代表者の人数を増やすことを検討すること。
(b)雇用、教育そして生活水準に関して、アイヌの人々とそれ以外の者の間で依然として存在する格差を減らすために講じられている対策の実施を強化、加速すること。
(c)土地と資源に関するアイヌの人々の権利を保護するための適切な措置をとり、文化と言語に対する権利の実現に向けた措置の実施を促進すること。
(d)政府のプログラムや政策を適合させるために、アイヌの人々の状況に関する包括的な実態調査を定期的に実施すること。
(e)前回の委員会の総括所見パラグラフ20においてすでに勧告されたように、独立国における原住民及び種族民に関するILO第169号条約(1989年)を批准することを検討すること。
マイノリティ言語及び教科書
24.委員会は、締約国から提供された情報に留意するものの、締約国が、マイノリティあるいは先住民族に属する児童に対し、マイノリティ言語による、またマイノリティ言語の教育を振興するための適切な措置をとっていないことを遺憾に思う。委員会は、条約によって保護される日本の諸グループの歴史、文化及び貢献を適切に反映するための、既存の教科書を修正するためにとられた措置に関する情報の欠如について懸念する(第5条)。
委員会は、締約国が、アイヌ及び琉球の人々を含む、マイノリティ及び先住民族に属する児童に対し、マイノリティ言語によってマイノリティ言語を教える教育を促進するよう勧告する。委員会は、締約国に対し、条約によって保護される日本の諸グループの歴史、文化及び貢献を反映しない教科書を修正することを勧告する。
※引用は日本外務省のウェブサイトから。2026年2月8日閲覧。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000060749.pdf
レイアウト 平田剛士(フリーランス記者)

