さっぽろ自由学校「遊」2025年後期 講座「先住民族の森川海に関する権利7―先住民族の権利と国・企業の責任」開講中

現代語訳・鮭鱒曳網ノ外川漁禁制(1878年)

法令ID番号01000256
明治11年10月20日  開拓使乙第30号布達
廃止日:不明
https://dajokan.ndl.go.jp/#/detail?lawId=01000256

大蔵省 [編]『開拓使事業報告』第6編 (附録 布令類聚 上編),北海道出版企画センター,1984.11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/9775049
原文現代語訳
同月二十日 乙第三十号布達1878年10月20日 乙第30号布達
鮭鱒河漁ノ儀ハ自今曳網ノ外都テ差止候尤曳網タリトモ夜中及支川ニ於テハ一切相成ラス河川でのサケ・マス漁にあたって、今後は曳き網以外の漁法をすべて禁止する。また、曳き網漁についても、夜間の漁や、支川(支流)での漁は全面的に禁止する。

先住民族アイヌに対する「同化政策」の多くは、開拓使(1869-1882)が出した「布達(ふたつ)」や「達(たっし)」によって実行されています。そこにはなんと書いてあったのか――?
開拓使が発した法令は、明治政府が『開拓使事業報告』『法令全書』『開拓使布令録』といったインデックスにまとめています。国立国会図書館が運営する検索サイト「日本法令索引〔明治前期編〕」を利用すると、それらインデックスから目当ての法令ページを探して、デジタルスキャン画像を閲覧できます(このページ冒頭の法令ID番号も、「日本法令索引 明治前期編」の分類に基づいています)。
とはいえ、明治初期の高級役人たちが作った法令は、候文(そうろうぶん)スタイルで書かれていて、現代の私たちには一目ではなかなか理解できません。そこで、冒険的なことは承知の上で、だれにでも読みやすいような現代語訳を試みました。
当時の法令文には、先住民族に対する攻撃的・否定的な表現が数多く見られます。現代の私たちが読むと、人種主義に根ざしたヘイトスピーチそのものに映りますが、当時の日本政府による先住権侵害ぶりをあらわす「動かぬ証拠」として、あえてそのまま訳出しました。(平田剛士)

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